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自然の音を愛でる

更新日:7月7日


6月の新月の夜。今日も、西表島から「エシカルな旅」のコラムをお届けします。

本コラムは、SpotifyYoutubeで音声コンテンツとしてもお楽しみいただけます。

(2022年6月29日19:30〜配信スタート)


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#06 自然の音を愛でる


夜に咲き、朝に散る

一夜かぎりの花、サガリバナ。


やわらかな花弁を線香花火のように開くはかなげな花で

奄美や沖縄本島でも見ることはできるけれど、

ポトリと落ちた白やピンクの花が川面を流れていくさまは、

西表島だけで見ることができる特別な光景だ。






この景色に出会うためには、まだ空が暗いうちにカヌーを漕いで、

サガリバナの群落がある川の上流まで、夜明け頃までに到着しなければならない。


…と聞くと、ちょっと大変そうな感じがするけれど、

それだけの価値は十二分にある、五感が目覚めていくような時間が待っている。


朝、まだ暗い川べりでカヌーに乗り込む頃には、

カエルの鳴き声があたりに響いている。


川へ漕ぎ出し、東の空が少し明るくなりはじめた頃、

リュウキュウアカショウビンの鳴き声が聞こえてくる。



すると、それと入れ替わるようにカエルの鳴き声がす〜っと消えていき、

気がつくと、鳥たちの朝のさえずりが賑やかに響き渡っている。


マングローブ越しの空がオレンジからピンクに染まっていくのを眺めながら

奥へと進み、ようやくサガリバナの群落にたどり着く頃、

サンコウチョウの鳴き声が聞こえてくる。





サガリバナの花の下を通ると、甘い香りと共に耳に届くのは虫たちの羽音。


小さなハチから始まって、やがてアブのような大きなハチになり、

続いて蝶々、最後にリュウキュウメジロが花の蜜を吸いに来る頃、

すべての花が川に落ちる。


この、見事な音のサイクル。


最近では、サガリバナの花を目で愛でること以上に、

こうした自然の音の移り変わりを耳で感じることが、初夏の楽しみになっている。

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