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島のまつりごと

更新日:2022年10月14日



こんばんは。今日は10月の満月。今夜も、西表島からエシカルラジオお届けします。

本コラムは、SpotifyYouTubeで音声コンテンツとしても配信しています。

(2022年10月10日19:30〜配信スタート)




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#13 島のまつりごと


初めて祖納の「節祭」を見たのは5年前のこと。


旧暦9月頃の己亥(つちのとい)の日から3日間に渡って行われる祭りの

中日にあたる「世乞い」の日に訪れた。


いつもは静かな前泊浜に大きな旗頭が立てられ、

赤、黒、青、黄色といった色鮮やかな伝統衣装を身にまとった祖納の人たちが

砂浜を舞台にして誇らしげに踊りや武術を奉納するさまは、

まるで夢の世界の出来事のように美しかった。


祭りのクライマックスは、海の向こうにあるというニライカナイから

神様をお迎えする舟漕ぎ競漕だ。


競漕というと、沖縄本島の「ハーリー」のようなレースをイメージしてしまうが、

「節祭」の競漕は競い合うだけではなく、村の人たちが波打ち際で舟を手招きしながら

今年の豊作を感謝して祝い、来年の五穀豊穣を一心に願う姿に心打たれる。


祭りは数多かれど、なぜ「節祭」はこれほどまで美しく感じるのか。


それは、祖納では今なお稲作がさかんに行われており、

かたちだけではない、稲作儀礼として「今まさに生きているまつりごと」の姿が

500年前から受け継がれているからだ。


歌や踊りや衣装など、八重山最古の姿を目に見えるかたちで遺しているこの祭りが、

西表島の稲作文化と共に、これからも変わることなく次世代へと続いていくことを

願ってやまない。



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