こんばんは。今日は10月の満月。今夜も、西表島からエシカルラジオお届けします。
(2022年10月10日19:30〜配信スタート)
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#13 島のまつりごと
初めて祖納の「節祭」を見たのは5年前のこと。
旧暦9月頃の己亥(つちのとい)の日から3日間に渡って行われる祭りの
中日にあたる「世乞い」の日に訪れた。
いつもは静かな前泊浜に大きな旗頭が立てられ、
赤、黒、青、黄色といった色鮮やかな伝統衣装を身にまとった祖納の人たちが
砂浜を舞台にして誇らしげに踊りや武術を奉納するさまは、
まるで夢の世界の出来事のように美しかった。
祭りのクライマックスは、海の向こうにあるというニライカナイから
神様をお迎えする舟漕ぎ競漕だ。
競漕というと、沖縄本島の「ハーリー」のようなレースをイメージしてしまうが、
「節祭」の競漕は競い合うだけではなく、村の人たちが波打ち際で舟を手招きしながら
今年の豊作を感謝して祝い、来年の五穀豊穣を一心に願う姿に心打たれる。
祭りは数多かれど、なぜ「節祭」はこれほどまで美しく感じるのか。
それは、祖納では今なお稲作がさかんに行われており、
かたちだけではない、稲作儀礼として「今まさに生きているまつりごと」の姿が
500年前から受け継がれているからだ。
歌や踊りや衣装など、八重山最古の姿を目に見えるかたちで遺しているこの祭りが、
西表島の稲作文化と共に、これからも変わることなく次世代へと続いていくことを
願ってやまない。
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